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開催レポート

第1回 8月8日 (土) 「台風と豪雨災害」 開催レポート

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■ 「自分が被災したら…」と具体的なイメージを日頃から持つ。

大きな災害はいつ発生するかわかりません。防災を特別なことにせず、日常的に防災を考える・学ぶために、渋谷区では2018年から「渋谷防災キャラバン」を開催しています。新型コロナウイルスの感染拡大が広がる2020年は「渋谷防災キャラバン」をオンライン開催。2時間のオンラインイベントにまとめ、いつでもどこでも防災が学べる環境を整えました。

当日はYouTube Liveで生配信されました。今はアーカイブをご覧いただけます。

そもそも渋谷は、観光、ビジネス、通勤通学などで区外からの来訪が多いエリア。自分の住んでいる地域の避難所、危険な地域は知っていても、昼間に訪れているエリアについては知らないことも多いのではないでしょうか。渋谷区に訪れる可能性のあるみなさんにとって、けして他人事ではない渋谷区での被災。自分や大切な人の命を守るため、まずは「知ること」から始めましょう。

8月8日(土)に配信した渋谷防災キャラバンオンライン開催、第1回目のテーマは「台風と豪雨災害」。夏から秋にかえて毎年猛威を振るう台風やゲリラ豪雨から身を守るためにはどんな心構えが必要でしょうか。

渋谷区を中心に考える第1部「地域防災を考えよう」では、渋谷区の職員や、渋谷の歴史と地域をよく知る町内会のみなさんが登場。第2部「被災地の声を聞こう」には西日本豪雨災害の被災地、岡山県倉敷市真備町の川辺地区と中継をつなぎ、被災者の方から実際の声を聞きます。スペシャルゲストとして真備町でボランティア活動に携わったタレントのはるな愛さんにも参加していただきました。

■ 見えないけど存在する川、暗きょ(あんきょ)に注意

第1部では、まず1000年に1度の豪雨が渋谷を襲ったときにどのくらい被害を受けるか予想してある「洪水ハザードマップ」の紹介がありました。マップによれば、区内の至るところで浸水が予想され、とくに渋谷駅周辺は3m以上で非常に危険な場所になっています。なぜなら渋谷には、もともと「川」があるからです。今でもその一部を見ることができる渋谷川の多くの箇所は、暗きょ(あんきょ)として地下を流れています。

この見えない川の処理能力の超えたとき、雨水が地上に溢れてしまう可能性があるわけです。これは「内水氾濫(ないすいはんらん)」と呼ばれ、都市型水害の特徴のひとつです。ハザードマップは渋谷区のウェブサイトで確認することができますので、ぜひ確認しましょう。

続いて、渋谷区の各町内会のみなさんと街を歩きがなら、過去の水害の様子や歴史を聞きました。出演いただいたのは、原宿三丁目町会、山下町会、本町氷川町会、本町東町会、本町中町会のみなさんです。日常ではなかなか気づきませんが、街には防災のための工夫がちりばめられています。建物がかさ上げされていたり、街の人が使える土のうを置いてある土のうステーションがあったり、区内の川の水位を監視カメラが設置されていたりと、街の各所に防災対策が施されているのです。

近年進められていた渋谷駅の大改造にも防災への取り組みがあります。2020年夏に完成したばかりの雨水貯留施設は、渋谷区の東口広場の地下に広がり、一番低いところは地上から25mもの深さで、4000トンもの雨水(一般的な25mプールの9杯分)を一時的に貯めることができます。同等規模の施設はすでに渋谷駅西口にあり、規模の大小はありますが、区内に複数完備されています。年々、渋谷区の水害対策は強化されているのです。

とはいえ、自身で水害に備えることも大事です。配信では家庭でできる水害対策として土のうの作り方も紹介されました。大雨の前に排水溝などが詰まっていないか確認することもわすれてはいけません。

また、浸水被害が起きたときには避難のことを考えますが、今年は新型コロナウイルスの感染リスクも考慮せねばなりません。避難所を密にしないために、ハザードマップで色がついてない地域は在宅で様子を見る、色がついていてもまずは2階や、親戚・知り合いの家に避難するなど、段階的に避難のレベルを上げていくことが大切です。

■  誰しも自分が「被災者」になるとは思っていない

第2部は、岡山県倉敷市真備町川辺地区の住民グループ 「川辺復興プロジェクトあるく」代表・ 槙原聡美さんと中継をつなぎ、スタジオにはタレントのはるな愛さんと、渋谷区より危機管理対策監の吉見隆さんにお越しいただきました。

平成30年の西日本豪雨は、死者・行方不明者が230人を超える、平成最悪の豪雨災害でした。倉敷市真備町では5メートル以上も浸水し 51 人もの犠牲者を出しました。

槙原さんは被災の状況を時系列で紹介。大雨が続いていたものの、肌感覚としては過去の大雨と同じくらいの雨量。まさか自分が被災するほどの大きな災害になるとは想像もできなかったと過去の自分を振り返りました。

避難勧告は22:00頃に出ていたけれど、その時点では危機感を持てなかったそうです。23:30頃、槙原さんのご自宅近くにある工場が爆発。家が跳ねたのかと思うほどの大きな衝撃に襲われ、やっと自宅は危険だという認識が生まれます。

車で避難所に向かおうとするものの、夜道と大雨で道路の白線も見えづらく、冠水している道路もあり、困難を極めました。避難所は混み合っていて、家に戻ったり、コンビニに行ってみたり、別の避難所に向かったり、さらにもう一度家に戻ったりと、右往左往してしまったと言います。大切なのは「自分が被災したら…」とイメージしておくこと。避難するときは、何を持つか、どうやっていくか、どこにいくか、事前に現実的なイメージを持っておくことが大切だと感じたそうです。

これまで数回、被災地でのボランティア活動をしたことがあるはるな愛さんは、西日本豪雨でも仕事の合間を見つけて現地に向かいました。はるなさんも、被災者の多くの人が「まさか被災するなんて…。一気に状況が悪化した」と話していたことが印象に残っていると語ります。槙原さんと共に当時の状況を思い出しながら、リアルな状況を教えてくれました。

吉見さんからは、自分自身の衣食住は自分で用意すること、自治体がボランティアを受け入れる体制が整ってから行くことなど、ボランティアに行く場合の注意をお聞きしました。

日頃から心がけたい防災として槙原さんが語ったのは、情報を取得するためにいろいろな情報ソースを持っておくことです。ラジオ、スマホ、テレビと複数のツールがあることで、ひとつ使えなくても他の方法で情報を得ることができます。はるなさんは、コロナ対策はしつつも、心はしっかりとつながること・助け合う心が大事だと話してくれました。

まずは、知ること、想像することが防災に繋がります。ぜひ今回の配信をあなたの防災に役立ててください。

次回の渋谷防災キャラバンオンラインは、9/12(土)で、テーマは「避難所運営」です。

詳細は後日お知らせしますので、ぜひWEBサイトや各SNSから情報をキャッチアップしてください。

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