レポート
Vol.9[本町地区]
「『地震と火災の備え』について考えよう!」
地震のあとに怖いのは通電火災。防災意識の高い本町地区を歩きながら考えた火事への備え
ビジネスでもレジャーでも、多くの人が集う渋谷。しかし、人が多いがゆえ、災害時の課題が多いのも事実です。「渋谷」と言っても、再開発が進む渋谷駅周辺もあれば、緑豊かな公園も、昔からの生活が残る住宅地もあります。それぞれのエリアで防災のポイントは違うのです。
2021年度の渋谷防災キャラバンは「“地域防災” を考えよう」をテーマにYouTube動画を配信します。動画では、渋谷区内11地区それぞれの防災における“特性”を、現地取材やキーマンへのインタビューを通じて紹介。地域に根ざした情報をお届けします。
動画コンテンツのvol.9は「本町地区 地震と火災の備え」。木造住宅が密集した住宅街では、地震の直接的な被害だけでなく、地震発生後に起こりやすい火災にも注意が必要です。
日頃から愛されている地域施設が避難所に
はじめに訪れたのは「児童青少年センター フレンズ本町」。館内を案内してくれたのは、フレンズ本町施設長の稲毛直也さんです。
バスケットボールや卓球などのスポーツはもちろん、ローラースケート場、クライミングウォール、ダンススタジオ、さらにはミニ四駆のコースまであり、さまざまなアクティビティに利用できます。子どもからお年寄りまで利用していますが、とくに子どもたちには大人気で、代官山など少し遠くから遊びにくる子どもたちも多いんだとか。
この施設は、災害時には避難所としても機能します。地域の皆さんと毎年防災訓練も実施しています。近隣の方との防災訓練を通じて、受付の様式や避難所のレイアウトの見直しをするなど、日頃から、避難所運営の適正化に取り組んでいます。
木密地域は火災に注意
つづいてご登場いただいたのは、渋谷区災害電設協力会会長の加賀政文さん。幼少期から本町地区にお住まいで、生まれも育ちも渋谷。生粋の渋谷っ子です。
本町地区の神田川支流の暗渠周辺では過去、たびたび浸水被害が起こり、加賀さんも地下駐車場にあった車が廃車になるなどの被害にあったそうです。しかし、今では地下貯水槽の整備もあり改善されていると言います。また、本町地区は木造の古い住宅が多く、道路も狭い木密地域。大地震の際に火事による二次災害を最小限にとどめるためには、事前の備えが肝心です。
防災豆知識:通電火災に気をつけよう
大地震の時に起きやすい「通電火災」。地震発生に伴い止まってしまった電気の復旧により、倒れた電気ストーブなどから出火してしまう火事のことです。阪神淡路大震災では、通電火災により大きな被害が発生しました。
これを防ぐには、避難時にブレーカーを落とすことが有効です。また、地震の発生により自動的にブレーカーを落とす「感震ブレーカー」もあります。後付できる設備がいろいろありますので、ぜひ活用しましょう。
感震ブレーカーを設置した際には、明かりが消えたときの対策も必要です。枕元などに懐中電灯を用意しておくとよいでしょう。
災害はいつ起きるかわかりません。日頃から少しずつ防災を意識し、災害に備えましょう。
次回もお楽しみに!
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