渋谷防災キャラバン

レポート

Vol.4[笹塚地区]
「配慮が必要な方への防災対策」

誰かを孤立させない地域コミュニティ。インクルーシブ防災を考えよう

ビジネスでもレジャーでも、多くの人が集う渋谷。しかし、人が多いがゆえ、災害時の課題が多いのも事実です。「渋谷」と言っても、再開発が進む渋谷駅周辺もあれば、緑豊かな公園も、昔からの生活が残る住宅地もあります。それぞれのエリアで防災のポイントは違うのです。

2021年度の渋谷防災キャラバンは「“地域防災” を考えよう」をテーマにYouTube動画を配信します。動画では、渋谷区内11地区それぞれの防災における“特性”を、現地取材やキーマンへのインタビューを通じて紹介。地域に根ざした情報をお届けします。

動画のvol.4は「笹塚地区 配慮が必要な方への防災対策」です。
インクルーシブな防災のためにはどんな取り組みがあるのか、笹塚の事例をお伝えします。

誰も取り残さない防災のために商店街でできること

甲州街道と水道道路が交差する笹塚は、かつて水を供給するための水路開発が進んだエリアです。地名にもその名残が残っています。

取材チームが向かったのは「笹塚十号通り商店街」。この名称も昔の橋の名称から名付けられています。金曜日の昼過ぎの撮影でしたが、学生、子供連れ、年配の方まで多くの人が行き交い、商店街には活気が溢れていました。

このエリアは渋谷の「谷」の部分に位置しています。実際、渋谷川は過去に何度も氾濫してきました。その様子は、大正の小説家である大岡昇平氏も自身の小説に書き残すほど。人々がゆったりと集う昼間の光景からはちょっと想像し難いですが、台風や大雨のときには十分気をつけないといけません。

お話を伺ったのは、笹塚十号通り商店街理事長の秋元浩さん。日常的に高齢者が孤立しないように積極的に地域コミュニティの連携を図る秋元さんは、商店街でも人気者です。撮影当日も、秋元さんの一声で地域のみなさんが快く取材に応じてくださりとても助かりました。日頃の交流があってこそ、ですね。

何でも相談できるコミュニティスペースは防災にも役に立つ

商店街の防災の取り組みを紹介いただいたあと、秋元さんが連れて行ってくれたのはコミュニティースペース「十号いこいの場」です。

どこに相談すればいいかわからない住民の困りごとを相談できる場所で、日常的にトイレ、赤ちゃんのオムツ替え、休憩所などとしても利用できます。イベントなども開催しており、さまざまな人が集える場所となっています。

ここを管理している一般社団法人Ten-Shipアソシエーション の戸所信貴さんにお話を聞いていると、手編みの手芸品を戸所さんに手渡す女性がいらっしゃいました。こうして街の人から無償でいただいた物は、カフェの前に並べて誰か必要な人が持ち帰れるようになっています。撮影日には、大学生が作成した革製のリボンや、新聞紙で作られたエコバックが置かれていて、地域の人がさまざまな形で関わっていることがわかりました。

防災豆知識:家具転倒を防ごう

大きな地震の際、家具を固定していないと、倒れてきて怪我をする恐れがあるだけでなく、逃げ道を塞いだり、ガラスが割れて歩けなくなったりと、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

渋谷区では高齢世帯や障がいのある方などを対象に、家具転倒防止器具の無料取付事業を実施しています。また、家具転倒防止金具の購入費用補助もあります。詳細は区のWebサイトを確認してください。しっかり家具の固定をして、災害に備えましょう。

大地震はいつ起きるかわかりません。日頃から少しずつ防災を意識し、災害に備えましょう。

次回もお楽しみに!